所蔵 石川県埋蔵文化財センター

九谷磁器窯跡出土 白磁・染付・陶器

公開状況
常設展示なし
時代
江戸時代(17世紀)
形態・種別
考古資料
地域
石川県加賀市山中温泉九谷町

九谷磁器窯跡は,大聖寺藩が鍋島藩有田焼(ありたやき)の最先端技術を導入し,山深い九谷の地に開いた本州初の磁器窯です。主に磁器を焼いた1号窯(1655(明暦元)年開窯)と,それに続く2号窯(陶器窯)が隣接し,17世紀代を中心に藩窯(はんよう)として操業しました。両窯とも,藩が期待した殖産品(しょくさんひん)とはなりませんでしたが,陶磁史上に残る歴史的試みは,今日に続く「九谷焼」の起源として高く評価されます。
1号窯からは,白磁の出土が多く,口径30~40㎝台の大皿から透かしをもつ製品まで,様々な種類の製品が見られます。上絵付用の色絵素地(いろえそじ)を意識したものと思われますが,色絵片の出土は工房内の色絵窯周辺を含めても少なく,量産化の形跡は確認できていません。また,染付の種類も豊富で,「明暦二歳/九谷/八月吉日」銘の染付色見片(そめつけいろみへん)は,1号窯の操業年代を裏付ける資料として注目されます。
2号窯では磁器に替わり,茶の湯の世界で流行の先端をいく高麗茶碗(こうらいぢゃわん)の写しが焼かれました。茶人として高麗茶碗にも関心の高かった初代大聖寺藩主前田利治の意向が反映された可能性があります。

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