所蔵 石川県埋蔵文化財センター

前田氏(長種系)屋敷跡出土 織部・唐津・土師器皿

公開状況
一部展示
時代
江戸時代(17世紀)
形態・種別
考古資料
地域
石川県金沢市大手町

加賀藩の老臣前田長種(まえだながたね)が,この地に屋敷を構えた1639(寛永16)年以前の屋敷地群出土資料です。この屋敷地群は,1620~30年代という比較的短い期間に存続しており,17世紀初頭の初期金沢城下町を考える上で貴重な資料といえます。
織部(おりべ)は,現在の岐阜県土岐市付近で始まった美濃焼の一種です。大名茶人古田織部の指導を受けたとされ,奇抜で斬新な形や文様が目を引きます。出土品をみても黒織部,織部黒,青織部,弥七田織部など種類も豊富で,主に茶器に使ったものと思われます。
唐津(からつ)は,九州の佐賀県西部および長崎県北部にまたがる地域で焼かれました。灰釉(かいゆう)や鉄釉(てつゆう)の碗・皿類をはじめとして,17世紀初頭には鉄絵で文様を描く絵唐津と呼ばれる高級食器が流行しました。器形や文様からは,織部など美濃焼の強い影響力が感じられます。
金沢城下の中心部からは,「カワラケ」とも呼ばれる,素焼き(すやき)の皿が大量に出土します。食器および灯明皿(とうみょうざら)として,わずかな灯り(あかり)ですが,様々な夜の世界を演出したものと思われます。

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石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。

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