所蔵 羽咋市歴史民俗資料館

吉崎・次場遺跡出土　ヒスイ原石

「人が集まり，移動すること」は，人間活動の基本要素です。考古学は，遺跡の出土品の産地を調べることで，古代の人々がどのような行動範囲を持っていたのかを明らかにします。例えば，吉崎・次場遺跡で出土した「ヒスイ（翡翠）」という美しい淡緑色の鉱石は，新潟県の糸魚川で産出したもので，勾玉などの装身具の素材として流通し，日本海を介して九州まで出土しています。
弥生時代のヒスイ交易の中継地でもあった吉崎・次場遺跡は，天然の良港である邑知潟を背景に，多くの人とモノの移動を受け入れ，北陸屈指の弥生文化拠点として発展しました。これは，「口能登」と呼ばれる羽咋の地域性を考えるうえで，今も昔も非常に重要な視点です。

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