所蔵 石川県埋蔵文化財センター
大型建造物柱根
- 公開状況
- 常設展示なし
- 時代
- 弥生時代後期~古墳時代前期(紀元前1世紀~4世紀)
- 形態・種別
- 考古資料
- 地域
- 石川県七尾市矢田町
矢田遺跡は、七尾西湾から約1kmの平野部に広がる集落遺跡で、推定範囲は東西約250m、南北約300mに及びます。調査により3条の自然流路が海へ向かって集落内を貫流、同流路からは古墳時代中期を主体に、弥生時代後期~古墳時代中・後期の土器や木製品が出土しました。豊富な地下水の恩恵を受け、木製品は当時の状態を保ったものが多く、柱や床板、梯子などの建築部材のほか、鋤・鍬といった農具、槽(そう)をはじめとする容器などが良好な状態で多数みつかっています。中には刀形や鳥形などの木製祭祀(さいし)具も含まれており、水辺での祭祀行為が想起されます。注目される遺構には、遺跡の南西に位置する微高地上で確認された、一辺約9mを測る大型建造物1棟が挙げられます。放射状に配置された四隅の柱穴には直径約50㎝の柱が据えられ、その対角線の交点には、直径約30㎝の柱根が収まる小柱穴1基もみつかっています。有力者の住居あるいは祭祀場と考えられ、流路の中心時期より古い弥生時代後期~古墳時代前期の可能性も指摘されています。今後の炭素年代測定により、詳細な年代が明らかになると期待されます。
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石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。
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