所蔵 石川県埋蔵文化財センター

八日市地方遺跡出土 柄付き鉄製ヤリガンナ

公開状況
展示中
時代
弥生時代中期中葉(紀元前約200年頃)
形態・種別
考古資料
地域
石川県小松市土居原町,日の出町,こまつの杜

八日市地方(ようかいちじかた)遺跡は,JR小松駅の東側一帯にひろがる北陸地方を代表する弥生時代のとても大きな集落遺跡です(遺跡の推定面積は18万㎡超)。
「柄付き鉄製ヤリガンナ」は,集落の中をゆるやかに蛇行しながら西(海側)へ向かって流れていた河川跡から見つかりました。時期は弥生時代中期中葉(紀元前200年頃)で,木製(イヌガヤ属)の柄に装着された完全な形が残る出土品としては,東アジア最古の鉄製ヤリガンナになります。
全長は16.3㎝で,基部が折れて短くなった鉄製ヤリガンナ(長さ5.1cm)を,円形(直径3.5㎝)のグリップエンドが特徴的な柄で挟み込んでおり,持ち手部分は糸巻きで固定した上に,テープ状に加工したサクラの樹皮(じゅひ)が巻き付けています。
日本列島で鉄器生産が始まる前に,朝鮮半島から日本海をわたり届けられた稀少な鉄器の具体的な着柄方法や使い方に迫りうる点でも重要な発見となりました。


※複製品を展示中

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