所蔵 石川県埋蔵文化財センター

八日市地方遺跡出土　玉つくり関連資料

弥生時代，朝鮮半島から新しい装身具のセットとして，勾玉（まがたま）と管玉（くだたま）が伝わります。
弥生時代中期以降，石川県内では加賀を中心として，新潟県糸魚川周辺から入手したヒスイを使って勾玉，小松市滝ケ原町など地元で産出する緑色の碧玉（へきぎょく）や緑色凝灰岩を使って管玉を，活発に生産しています。
管玉の製作は，原石を粗く割り，さらに石鋸（いしのこ）で溝を切って細かく割った材料を，磨いて仕上げます。また，管玉に穴をあける道具として，安山岩やメノウでつくった，直径約１㎜の磨製の石針が見つかっています。これらの玉つくりに使われた道具の石材は，小松市や能登地方，遠くは徳島県・和歌山県・奈良県などから入手している他，弥生時代後期には道具の材質が鉄に変わります。
このように，県内では，玉の原料が容易に入手できたことから，加賀を中心として盛んに玉つくりを行い，つくった玉類は列島各地に運ばれる大切な交易品となりました。

本サイトに掲載しているテキスト・画像などのコンテンツ全般について、無断でのダウンロードやスクリーンショット、転用、転載等は禁止しています。