所蔵 石川県埋蔵文化財センター
冨塚遺跡出土 鍬形石未成品
- 公開状況
- 常設展示なし
- 時代
- 古墳時代前期(4世紀)
- 形態・種別
- 考古資料
- 地域
- 石川県加賀市冨塚町
冨塚遺跡は,柴山潟西岸の丘陵南斜面に位置する遺跡です。
この鍬形石(くわがたいし)未成品は,昭和57(1982)年に県が実施した県内遺跡詳細分布調査により,冨塚遺跡の北側で採集されたものです。耕作中に掘り出され,採集地に遺棄されたものと考えられていますが,近接する片山津玉造(かたやまづたまつくり)遺跡などから運ばれてきた可能性もあります。
明淡緑色を呈する緑色凝灰岩(りょくしょくぎょうかいがん)で,ほぼ全面に形を整えるための調整加工痕が残っています。大きさは,長さ24.3㎝,上端幅8.5㎝,下端幅13.5㎝,厚さ6.7㎝,重量2.25kgです。
鍬形石や車輪石(しゃりんせき),石釧(いしくしろ)などの石製品は,古墳時代前期に権威の象徴として扱われ,全国の古墳に副葬されました。こうした石製品の大多数は,加賀地域で生産されたものと考えられており,製作途中の未成品の出土はそれを裏付けるものといえます。
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石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。
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