所蔵 石川県埋蔵文化財センター
上棚中村畑遺跡出土 角杯形須恵器
- 公開状況
- 常設展示なし
- 時代
- 古墳時代後期(6世紀)
- 形態・種別
- 考古資料
- 地域
- 石川県羽咋郡志賀町上棚
上棚中村畑(うわだななかむらばたけ)遺跡は,かつての福野潟の最奥部に流れ込んだ,於古川(おこがわ)の右岸丘陵端部に立地しています。
角杯形須恵器(かくはいがたすえき)は,遺跡を横断して於古川方向へと流下する大溝から見つかりました。ほぼ完形品で,大きさは口径が9.8×8.7㎝の楕円形を呈し,高さは20㎝を測ります。2条の沈線により区分された8区画のうち,上部4区画に櫛状工具による斜行列点文,下部2区画にヘラ状工具による刻目文がそれぞれ施されており,犀(さい)の角状(つのじょう)に屈曲する尖(とが)った底部には紐を通すための孔が開けられています。
角杯は,もともとは動物の角をくりぬいて作られた容器です。中央アジアの遊牧民族が好んで使っていたとされ,それが朝鮮半島で須恵器に材質を替え,日本に伝えられたとされます。国内では窯跡からの出土品もあり,国内で生産されていたことが分かっていますが,これまで全国でも20数例しか出土例のない貴重な遺物となります。
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石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。
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