所蔵 石川県埋蔵文化財センター
那谷金比羅山窯跡群出土 「与野評」刻書平瓶
- 公開状況
- 常設展示なし
- 時代
- 古墳時代終末期(7世紀中頃)
- 形態・種別
- 考古資料
- 地域
- 石川県小松市那谷町
小松市粟津町~加賀市分校町の丘陵には,北陸最大規模の須恵器(すえき)などの土器生産地「南加賀窯跡群」があり,那谷金比羅山(なたこんぴらやま)窯跡群は,その一支群です。
本資料は,半球形の胴部に中心から外れた位置に注ぎ口をつける「平瓶(へいへい)」と呼ばれる形の須恵器の容器に,文字が刻まれたものです。大きさは胴部径・器高ともに約16cmです。
文字は6行にわたって刻まれていますが,窯跡一帯に破片がばらばらに散った状態で出土しており,失われた破片も多いため,全体で何を記したものかはよくわかっていません。
注目されるのが,第1行目冒頭の「与野評(よののこおり)」の3文字です。「与野」(よの・よぬ)は,地名「江沼」(えぬま)のルーツであり,当時「江沼」がどう呼ばれて,どう記されていたかを伝えています。また,「評(ひょう・こおり)」は,大化の改新後に全国的に導入された地方行政単位であり,律令時代の「郡」に先行する単位です。
律令前夜の石川県の地名や「評」制の導入を示す大変重要な文字資料の一つです。
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石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。
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