所蔵 石川県埋蔵文化財センター

那谷金比羅山窯跡群出土 「与野評」刻書平瓶

公開状況
常設展示なし
時代
古墳時代終末期(7世紀中頃)
形態・種別
考古資料
地域
石川県小松市那谷町

小松市粟津町~加賀市分校町の丘陵には,北陸最大規模の須恵器(すえき)などの土器生産地「南加賀窯跡群」があり,那谷金比羅山(なたこんぴらやま)窯跡群は,その一支群です。
本資料は,半球形の胴部に中心から外れた位置に注ぎ口をつける「平瓶(へいへい)」と呼ばれる形の須恵器の容器に,文字が刻まれたものです。大きさは胴部径・器高ともに約16cmです。
文字は6行にわたって刻まれていますが,窯跡一帯に破片がばらばらに散った状態で出土しており,失われた破片も多いため,全体で何を記したものかはよくわかっていません。
注目されるのが,第1行目冒頭の「与野評(よののこおり)」の3文字です。「与野」(よの・よぬ)は,地名「江沼」(えぬま)のルーツであり,当時「江沼」がどう呼ばれて,どう記されていたかを伝えています。また,「評(ひょう・こおり)」は,大化の改新後に全国的に導入された地方行政単位であり,律令時代の「郡」に先行する単位です。
律令前夜の石川県の地名や「評」制の導入を示す大変重要な文字資料の一つです。

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