所蔵 石川県埋蔵文化財センター

戸水C遺跡出土 獣脚付円面硯・緑釉陶器

公開状況
一部展示
時代
平安時代前・中期(9世紀後半~10世紀)
形態・種別
考古資料
地域
石川県金沢市戸水町・御供田町

戸水C遺跡は,大野川の河口(現在の金沢港付近)に位置する平安時代の遺跡です。大型掘立柱(ほったてばしら)建物が建ち並び,当時の高級陶器である緑釉(りょくゆう)・灰釉(かいゆう)陶器が多く出土することなどから,古代加賀国の国府津(こうづ)と考えられています。
獣脚付円面硯(写真中央)は,直径23.5cmの大型品で,側面にはアーモンド形の眼を空けた獣面を3ヶ所に配し,そこに獣脚を貼り付ける大胆なデザインが特徴の優品です。南加賀の須恵器窯の製品で,硯面がよくすり減っていることから多くの文書作成に使われたようです。
緑色の釉薬が美しい緑釉陶器は,当時の流行の最先端である唐(とう)の陶磁器や金・銀器をまねて作られた高級器で,地方では役所や寺院などを中心に出土します。大きくラッパ状に開く口が特徴的な唾壺(だこ,写真左側)は,もとは唾(つば)を吐き出すエチケット容器ですが,そのように使われたかは定かでありません。香をたきしめるための器である香炉(こうろ,写真右側)は県内でも出土例が少ないものとなります。どちらも,愛知県の猿投窯(さなげよう)で焼かれた製品です。

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