所蔵 石川県埋蔵文化財センター

寺家遺跡出土　ガラス坩堝

羽咋市の海岸砂丘に埋もれた寺家（じけ）遺跡は，古代の気多（けた）神社にかかわる祭祀を行っていた遺跡です。付属する工房で「カミマツリ」の道具を製作しており，全国的にも珍しいガラス工房もあったと考えられています。
いくつかの竪穴（たてあな）建物から，ガラスを溶かした坩堝（るつぼ）の破片が見つかっています。これらの破片の内面には，淡緑色のガラスが今でも付着しています。坩堝は，もっとも残りのよいもので，直径約10cm，深さ約9cmを測り，横から見ると底部が尖（とが）った砲弾形をしています。また，外面には特徴的な斜格子の叩き目（たたきめ）が見えます。
当時の先端技術であるガラス生産には，国家の関与があったと考えられます。

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