所蔵 石川県埋蔵文化財センター

浄水寺跡出土 長沙窯水注

公開状況
常設展示なし
時代
平安時代前期(9世紀後半)
形態・種別
考古資料
地域
石川県小松市八幡

浄水寺跡(きよみずてらあと)は,小松市東部の丘陵地にある山間寺院で,9世紀後半以降,約500年存続しました。
平安時代の大溝から,中国唐時代の水注(すいちゅう,水差し)が出土しました。この水注は高さ20.4㎝で,上部に径9.7㎝の口が開いています。また,肩には短い注ぎ口と耳,胴部3ヶ所に葡萄文(ぶどうもん)のレリーフを貼付(はりつ)け,褐色(かっしょく)の釉薬(ゆうやく)が流しかけられています。生産地は,中国湖南省の長沙窯(ちょうさよう)です。同じ大溝から見つかった越州窯(えっしゅうよう)青磁(せいじ)の杯(さかずき)などとともに,平安時代に日本に輸入された陶磁器の一つとなります。
これらの輸入された陶磁器は,平安京や加賀の国府(こくふ)などを介して,山間で寺院活動を開始した浄水寺にも持ち込まれ,仏具(ぶつぐ)に使用されたと考えられています。
なお,同様の水注は,小松市佐々木アサバタケ遺跡や白山市三浦光明遺跡でも出土しており,平安時代の加賀地方で活動した有力者も,輸入された高級陶磁器を入手できたようです。

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