所蔵 石川県埋蔵文化財センター

野々江本江寺遺跡出土 木製笠塔婆・板碑

公開状況
一部展示
時代
平安時代末~鎌倉時代前期(11世紀末~12世紀)
形態・種別
考古資料
地域
石川県珠洲市野々江町

野々江本江寺(ののえぼんこうじ)遺跡は,珠洲市飯田湾の海岸近くの平地に営まれた,平安時代から鎌倉時代の集落遺跡です。遺跡の東端には湿地が広がっていたとみられ,そこから「木製笠塔婆(もくせいかさとうば)」と「木製板碑(いたび)」が見つかりました。
木製笠塔婆は,塔身となる竿(さお)と額(がく)が出土しました。角柱状の竿(写真中央)は長さ1.9m,竿に釘留めされていた額(写真左側)は長さ0.7mを,それぞれ測ります。文様が刻まれた額は,上半中央に金剛界大日如来(こんごうかいだいにちにょらい)の梵字「バン」を配置します。また,額の下半には,願文(がんもん)等を墨書したとみられる区画があります。
木製板碑(写真右側)は長さ1.93mで,1枚の板材を加工して,頭部,額部,塔身部の碑面をつくります。碑面には,梵字や願文等が書かれた可能性をもちますが,墨は確認できていません。
これらは,絵巻物『餓鬼草紙(がきぞうし)』(平安時代末期)に描かれた木製とみられる笠塔婆や板碑の実在を裏付けるものであり,当時の墓制や墓標の始まりを考える上で重要な資料です。2014(平成26)年に石川県指定有形文化財「野々江本江寺遺跡出土品」に指定されています。

※常設展示はありませんが,年2回展示しています。

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