所蔵 石川県埋蔵文化財センター

白江梯川遺跡出土 懸仏

公開状況
常設展示なし
時代
室町時代(14世紀後半)
形態・種別
考古資料
地域
石川県小松市白江町

白江梯川(しらえかけはしがわ)遺跡は,梯川中流の沖積地に営まれた集落遺跡です。その北辺で見つかった祠(ほこら)の遺構から,3点(一面および二体)の懸仏(かけぼとけ)が出土しました。いずれも神仏習合(しんぶつしゅうごう)が広がる中,「神の真なる姿」を意味する,御正体(みしようたい)と呼ばれていた神具です。
 一面の懸仏は,最も残りのよいものです(写真)。円形の板(径9.9㎝)に薄い銅板を張った鏡面(きょうめん)には,鋳造(ちゅうぞう)製の仏像(高さ4.2㎝,中央下)に加えて,天蓋(てんがい)や花瓶(かびん)などの飾り金具,吊り下げるための金具が付けられています。
また,鏡板を失った二体の掛仏は,十一面観音(じゅういちめんかんのん)座像(ざぞう)と如来(にょらい)座像で,祠には三面の懸仏が祀(まつ)られていたと報告されています。
十一面観音は,白山神の本地仏(ほんちぶつ)であることから,三面の懸仏は白山信仰の神々として信仰されてものと考えられます。

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