所蔵 石川県埋蔵文化財センター
佐々木アサバタケ遺跡出土 一石呪符
- 公開状況
- 展示中
- 時代
- 室町時代(15世紀前半)
- 形態・種別
- 考古資料
- 地域
- 石川県小松市佐々木町
佐々木アサバタケ遺跡は,梯川(かけはしがわ)の中流左岸に営まれた中世集落です。
室町時代の大型土坑(どこう,径4m以上)から,一石呪符(いっせきじゅふ)が見つかりました。これは,楕円形の自然石(長さ8.5㎝,幅4.5㎝)に,仏を表す梵字(ぼんじ)と九字印(くじいん)と呼ばれる記号を墨で書いたもので,県内では類例が少ない遺物となります。
上半には,4つの梵字が書かれています。中央に不動明王(ふどうみようおう)の「カン」を大きく据え,左下に胎蔵界(たいぞうかい)大日如来(だいにちにょらい)の「アン」,右下に金剛界(こんごうかい)大日如来の「バン」と毘沙門天(びしゃもんてん)の「べー」を連ねています。
中心に据えられた不動明王は,大日如来の化身(けしん)ともいわれる仏で,白山信仰では滝宮に祀(まつ)られます。また,大型の土坑は水溜(みずため)に利用され,最後に埋められています。これらから,水溜の埋め立てに係わる祭祀において,水に係わる呪い(まじない)のため宗教者が石に墨書して,使用したものと考えられます。
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石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。
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