所蔵 野々市市ふるさと歴史館・野々市デジタル資料館

石川県御経塚遺跡出土品

縄文時代後期中葉から晩期終末（紀元前1700～500年前頃）にかけて長期にわたる御経塚遺跡の出土品は，当時の生業や精神活動を復元するうえで貴重なものとして，土器・土製品542点，石器・石製品3,642点，骨角器23点，附12点の4,219点が，2010(平成22)年6月29日，重要文化財に指定されました。
土器は，東日本と西日本双方の影響を受けつつも北陸地方独自の地域的な特徴をもち，北陸地方における年代の標式資料とされています。この地域で最も出土数が多い土製品である土偶は，その形態や文様から時期区分の可能なものも多く極めて重要です。
石器には打製石斧，石皿などが多数みつかっており，根茎類や木の実など植物質食料に依存する生業活動の状況を示しています。石製品には装飾品である玉製品にほか御物石器（ぎょぶつせっき）や石冠，石剣などの祭祀や呪術に関係する特殊な遺物も多数含まれています。玉製品の約半数は，新潟県姫川上流産の硬玉（こうぎょく：ヒスイ）を利用した製品で，交易の実態がうかがえるものです。
野々市市ふるさと歴史館で実物の一部を展示しているほか，デジタル資料館では，出土品の約800点を紹介しています。

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