所蔵 石川県埋蔵文化財センター
杉谷チャノバタケ遺跡出土 チマキ状炭化米塊
- 公開状況
- 常設展示なし
- 時代
- 弥生時代中期後半(紀元前100年頃)
- 形態・種別
- 考古資料
- 地域
- 石川県鹿島郡中能登町杉谷
杉谷チャノバタケ遺跡は,眉丈山(びじょうざん)山系に立地する集落遺跡(標高70~110m)で,中心となる弥生時代中期後半,後期後半は,環濠(かんごう)で囲まれた高地性集落が営まれます。
チマキ状炭化米塊(ちまきじょう たんかまい かい)は,中期後半の竪穴(たてあな)建物の壁際から完形で見つかりました。この炭化米塊は,平面形が二等辺三角形に近く,大きさは底辺が約5㎝,他の2辺が約8.5㎝・8㎝,厚さが約3.5㎝となります。
米粒の分析から,短粒・極小粒の日本型を呈する水稲品種であり,晩稲(ばんとう・おくて)のもち米であること,また,おそらく蒸したものであることが分かりました。この調理方法は,現在のチマキに近いものです。また,出土状況から,建物内部あるいは建物外部の軒などに吊り下げられていたものが,落下した可能性もあります。
この炭化米塊は,日常の保存食,携帯食,あるいは,現在も残る神饌(しんせん)や祇園粽(ぎおんちまき)に代表される,霊的なものへの供え物や厄除けに作られたと考えられます。
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石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。
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