所蔵 石川県埋蔵文化財センター

畝田ナベタ遺跡出土 花文帯金具

公開状況
常設展示なし
時代
平安時代前期(9世紀)
形態・種別
考古資料
地域
石川県金沢市畝田東

畝田(うねだ)ナベタ遺跡は,金沢平野の沖積低地に位置する平安時代の遺跡です。県内でも屈指となる大型の掘立柱(ほったてはしら)建物が建ち並ぶ状況から,周辺に位置する古代の港湾遺跡と深く関係する遺跡と考えられています。
掘立柱建物の雨落ち溝から,一辺約3cmの小型の帯金具(おびかなぐ,腰帯の飾り金具)が見つかりました。金具は,唐草をモチーフにした花文(かもん)が鋳出(いだ)された青銅の芯材に,金箔を貼っています。また,文様の外側の地に,金色とコントラストをなす黒漆を塗ることによって,文様を際立たせています。
このような花文を施した金メッキの帯金具は,現在,国内では3例しかなく,中国大陸東北部に勢力をなした契丹(きったん)の帯金具に多く見られることから,当時日本と外交関係にあった渤海(ぼっかい)使節とともに日本に渡ってきた可能性が考えられています。この帯金具の出土から,本遺跡は渤海使節の宿泊施設である「便所」(びんしょ)と考える研究者もいます。

本サイトに掲載しているテキスト・画像などのコンテンツ全般について、無断でのダウンロードやスクリーンショット、転用、転載等は禁止しています。

石川県埋蔵文化財センター アイコン

石川県埋蔵文化財センター

Webサイト 資料一覧

石川県埋蔵文化財センター

石川県の歴史と文化を伝える埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査や出土品整理、報告書刊行を行うとともに、それらの成果を生かした展示や講座などを開催する開放型の施設として、1998(平成10)年に開館しました。
展示室には、テーマや時代別のコーナーなどがあり、県内各地の遺跡から発見された貴重な土器、石器などを見て、触れることができます。2001(平成13)年には、古代人の生活やワザをいつでも楽しく体験できる古代体験ひろばもオープンしました。
大人から子供まで、気軽に郷土の歴史を学びながら、文化財に対する関心と理解を深めることができます。

〒920-1336 金沢市中戸町18-1 Googleマップ

TEL 076-229-4477   E-mail daihyou@ishikawa-maibun.or.jp

背景画像
背景画像