所蔵 石川県埋蔵文化財センター

南黒丸遺跡出土 珠洲焼経筒

公開状況
常設展示なし
時代
鎌倉時代前期(13世紀前半)
形態・種別
考古資料
地域
石川県珠洲市南黒丸

珠洲焼(すずやき)の経筒(きょうづつ)で,珠洲市南部に所在する南黒丸遺跡から出土しました。この遺跡では,大量に出土した珠洲焼の中に,未使用の擂鉢(すりばち)や特殊な容器が多くみられることから,珠洲焼の流通施設があったと推定されています。仏教の経典の埋納(まいのう)容器である経筒も,それらの商品の一つと考えられます。
経筒は,口径15㎝,器高25.8㎝の大きさで,上部の口は印籠(いんろう)造りをみせ,胴部には2種類の刻印(こくいん)が巡ります。このうち,「丸に編目格子」という文様の刻印は,南黒丸遺跡の北西約1.8㎞に位置する鳥屋尾(とやお)窯跡(ようせき)でも見つかっていることから,経筒はこの窯場(かまば)で焼かれたものと考えられます。
また,珠洲焼は,中世の能登半島において日常生活に使う壺(つぼ)・甕(かめ)・擂鉢を量産したことで知られていますが,生産が始まった平安時代末から鎌倉時代には四耳壺(しじこ)や水注(すいちゅう),仏具や文房具などの多様な器物も焼成していました。経筒は,そのような珠洲焼生産の特徴を象徴する出土品として位置づけられています。

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